建学の精神に固く立って
学校法人 尚絅学院
理事長・学院長 佐藤 司郎
「キリスト教精神に基づく教育によって、自己を深め、他者と共に生きる人間を育てる」(建学の精神)
学校法人尚絅学院は、幼稚園から、中学・高校、大学、大学院までを擁するキリスト教学園として、今年2026年、創立134年を迎え、さらに未来に向け、建学の精神に固く立って歩みつつあります。
本学院がこれまでもこれからももっとも大切にしているのは人格教育、人間教育です。聖書によれば、人間は神に造られたものとして一人一人かけがえのない人格と個性を与えられています。これを自覚し、他人もそうであることを感謝をもって受けとめることのできる人間を育てることを目指しています。
人間はまた人と人とによって織りなされた共同体の中で、他者と共に、互いに思いを一つにし、義と平和に生きるべき存在です。そのためには人は謙遜でなければなりません。他者を思いやり、受け入れ、愛し、さらには他人(ひと)に仕えるようになること、それもわれわれの教育が、これまでもこれからも大切にしていることです。
さらに尚絅学院は「地域」と共に歩むことを大切にしています。地域の問題と課題を自分の問題と課題として受けとめ、地域を支えることのできる人間の育成を目指しています。それは、本学院が、米国の一群の女性宣教師たちによって創始された当時からの志といってよいでしょう。戦後、短大の時代に、英文科、家政科(食物栄養・健康栄養)、保育科などが設置されたことも、そうした願いの現れです。このことは、2003年開学の四年制の現在の大学にも引き継がれています(沿革の項参照)。尚絅幼稚園、そして中学・高等学校においても、この教育目標は変わりません。聖書に、「わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである」(マタイ25:40)というイエスの言葉があります。地域社会の中で小さい者の一人のために奉仕することのできる人材をわれわれは育てたいのです。
時代は急速に変化し、AIの時代に突入しています。そうした中で尚絅学院は情報教育に力を入れています。新しい情報環境の中で、それを活用し、人のために役立てることができる人材の育成を行っています。もちろん問題はたんなる技術の習得ではありません。これを用いながらどのような人間性豊かな未来社会をつくりあげるかです。そのための知識と知恵を有する若い人々をわれわれは世に送り出します。
最後に、地球温暖化をはじめとして、人間と自然、また環境との関わりが根本的に問われているこの時代、従来にもましてわれわれは環境教育に力を注いでいます。自然と共生する人間の育成をわれわれが目指していることも申し上げなければなりません。こうした教育のためには、仙台市内の風光明媚な広瀬川河畔に立地している中高、そして名取市の里山地区にある幼稚園、大学は、まさにうってつけの場所にあるといってもよいでしょう。
本学院は、冒頭に示した建学の精神に固く立って、新しい時代の変化に即応し、人間教育に果敢に挑戦していきます。建学の精神は不易です。その中でいまわれわれは、「よく生き、よく奉仕する人を育てる--地域のために、小さな者のために」をモットーに、力強く歩みつづけます。
佐藤 司郎 プロフィール
- 生年月日
- 1946年11月17日
- 最終学歴
- 東北大学文学部卒業(倫理学専攻)
東北大学大学院文学研究科修士課程修了(実践哲学専攻)
東京神学大学大学院神学研究科修士課程修了(組織神学専攻) - 学位
- 博士(文学) 東北大学
- 経歴
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1980年4月 日本基督教団大洲教会牧師 1987年9月 日本基督教団信濃町教会牧師 1998年4月 東北学院大学文学部キリスト教学科教授 組織神学担当 2018年4月 日本基督教団仙台北三番丁教会牧師 2023年1月 学校法人尚絅学院 学院長に就任 2024年4月 学校法人尚絅学院 理事長に就任 - 著書
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- 『新しい言葉をもって』(1996年)
- 『生ける主に従う――教会の神学を求めて』(1999年)
- 『われは教会を信ず』(2011年)
- 『カール・バルトの教会論――旅する神の民』(2015年)
- 『カール・バルトとエキュメニズム―― 一つなる教会への途』(2019年)
以上、新教出版社
- 共編著
- 『福音とは何か――聖書の福音から福音主義へ』(2018年 教文館)