ごあいさつ
「第9回尚絅音楽祭」を、昨年にひきつづいて、東北大学の川内萩ホールを会場に開催できることを嬉しく思います。尚絅学院は、開学以来、音楽を重んじてきました。”尚絅の音楽“の伝統は、初代校長アニー・ブゼルが、音楽は神に対する賛美の表現であり、宗教と音楽は共に手をたずさえて歩むべきものであるとしたことにはじまります。
太平洋戦争中、日本の学校教育は独自性を奪われたのですが、辛うじて持ちこたえた「尚絅らしさ」は音楽であったのです。戦時下でもピアノや声楽の授業は続けられました。2010年に名取キャンパスに復元移築された尚絅最初の校舎(エラ・オー・パトリックホーム 1896年)には、ブゼル先生が愛用した「ベビーオルガン」(日本製)も寄贈を受け、展示されています。音楽は人間の協調性、寛容、共感そして何よりも心の勇気を育ててくれます。特に合唱やオーケストラは他のパート、他の楽器との調和が大切ですから、「他者と共に生きる」を教育の理念としている尚絅学院の精神の発露そのものです。人々は特に困難に遭遇した時に、音楽によって、希望をつなぎ、その苦しみや悲しみを乗り越えて来た多くの経験を持っています。
中学高校の合唱、管弦楽、大学生による合唱、そして素晴らしいピアノ演奏、声楽などお楽しみください。これからも尚絅学院へのご支援をこころからお願いいたします。
尚絅学院 学院長 佐藤 司郎
尚絅音楽祭も今回で9回目を数えました。昨年は学院創立130周年に当たり、また今年は大学開学20周年となります。大学としての歴史はまだ浅いのですが、ブゼル先生の時代からずっと音楽を愛し、大事にしながら今日まで至っています。昨年までの3年間はコロナによる制約のために、やりたいことを自由に企画できませんでした。今年はコラボレーションする演奏を増やそうとプログラムを組みました。今後も中高生と大学生の合同演奏、いずれ附属幼稚園の園児たちも交え、今まで以上の「オール尚絅」を目指していこうと考えています。この演奏会が卒業生の皆さん方の同窓会としての場となっていくことも期待しています。多くの方々にご来場いただき、生徒・学生たちの練習の成果を、是非生の音でお楽しみいただきたいと願っております。
尚絅音楽祭 実行委員長 佐藤 淳一